2024年7月、新紙幣発行!医療機関の自動精算機・自動釣銭機に必要な対応とは?
2024年7月3日、ついに新紙幣が発行されました。
- 1,000円札:北里柴三郎(旧:野口英世)
- 5,000円札:津田梅子(旧:樋口一葉)
- 10,000円札:渋沢栄一(旧:福沢諭吉)
この変更は、医療機関にも大きな影響を与えています。自動精算機(セルフレジ)や自動釣銭機(セミセルフレジ)を導入している医療機関にとっては、新紙幣への対応は欠かせません。そして、現在まさにそれらの機器の比較・検討を進めている方は、特に注目している部分と言えるでしょう。
本記事では、新紙幣発行の背景から、クリニックをはじめとする医療機関が取るべき対応まで、詳しく解説していきます。
目次
なぜ新紙幣が発行されるの?新札発行の意味とは
新紙幣発行の主な目的は、偽造防止技術の強化です。
近年、デジタル技術の進歩により、偽造紙幣の製造が比較的容易になってきています。そのため、より高度な偽造防止技術を搭載した新紙幣を導入することで、通貨の信頼性を維持し、経済の安定を図ることが狙いのひとつと言われています。
2024年7月に発行された新紙幣には、以下のように様々な偽造防止技術が組み込まれています。
- 触ってわかる(識別マーク<深凹版印刷>等)
- 透かしてわかる(高精細すき入れ等)
- 傾けてわかる(3Dホログラム等)
- 道具でわかる(特殊発光インキ等)
引用:日本銀行HP 日本銀行情報サービス局「お金の話あれこれ」 P.1
また新紙幣のデザイン変更には、日本の文化や歴史を国内外に発信する意味合いもあります。新しい肖像画には、それぞれの分野で日本の発展に貢献した人物が選ばれており、日本の歴史や文化を多分に表現しています。
さらに、視覚障害者の方々への配慮も、新紙幣発行の理由のひとつです。
新紙幣には、触覚による識別がしやすい工夫、つまり先ほどの偽造防止技術にも記載した「①触ってわかる(識別マーク<深凹版印刷>等)」が施されており、より多くの方々が使いやすい通貨となっています。
新紙幣発行に合わせて医療機関がすべきこと、気を付けることとは?
新紙幣の発行に際し、クリニックをはじめとする医療機関が取るべき対応は、使用している会計機器のタイプによって異なります。
手動のレジスターを使用している場合
1)スタッフへの教育
新紙幣の特徴や見分け方について、全スタッフに周知徹底することが重要です。
新紙幣と旧紙幣は、数字の表記場所等も微妙に異なるため、確認の間違いによって違算金が発生する可能性があります。
新紙幣と旧紙幣が入り混じる数カ月間は、二重チェックなど各医療機関ごとに対策をとりましょう。
2)つり銭の整理・準備
新紙幣発行直後は、新旧両方の紙幣が混在することが予想されます。十分な量のつり銭を用意し、スムーズな会計処理ができるよう準備しておきましょう。
自動精算機(セルフレジ)や自動釣銭機(セミセルフレジ)を使用している場合
1)機器のアップデート
使用している機器が新紙幣に対応しているか確認し、必要に応じてソフトウェアのアップデートや機器の入れ替えを行います。
2)テスト運用
新紙幣発行前に、新紙幣を用いて機器の動作確認を行うことをおすすめします。正常に動作することをスタッフとともにチェックし、問題がある場合はさらなる調整や設定変更をメーカーに相談しましょう。
3)バックアップ体制の整備
万が一、自動機器が新紙幣を認識できない場合に備え、他の案内についても準備しておきましょう。ここについては、次のセクションでも詳しくご説明しています。
いずれの場合も、患者様への周知も重要です。新紙幣発行に伴い、一時的に会計処理に時間がかかる可能性があることを事前に説明し、理解を求めることで、スムーズな運用につながります。
新紙幣対応が間に合わない場合はどうすればいい?
新紙幣発行時に、何らかの理由で自動精算機(セルフレジ)や自動釣銭機(セミセフレジ)の対応が間に合わない場合、以下のような対策を考える必要があります。
1)旧紙幣の交換対応
新紙幣しか持ち合わせがない患者様には、医療機関で持っている旧紙幣と交換し、会計をしていただく方法があります。ただし現金のやりとりが増えることで、人的ミスにつながる可能性もあるため、あまり積極的に行うべき対応ではないでしょう。
2)代替支払い方法のご案内
クレジットカードや電子マネーなど、現金以外の支払い方法を積極的に案内する方法もあります。これにより、新紙幣に関する問題を最小限に抑えられるでしょう。
3)患者様への事前告知で協力を仰ぐ
新紙幣対応が遅れることを事前に患者様に告知し、理解と協力を求めます。ウェブサイトや院内掲示など、様々なアプローチで患者様への周知に努めましょう。
4)メーカーサポートの活用
上記のような行動と並行してメーカーに相談し、可能な限り早急な対応を要請しましょう。場合によっては、一時的な代替機の提供などのサポートを受けられる可能性もあります。
これらの対策を組み合わせることで、新紙幣対応の遅れによる影響を最小限に抑えることができます。ただ、長期的には自動精算機(セルフレジ)や自動釣銭機(セミセルフレジ)のアップデート等は欠かせません。計画的な対応を検討することをおすすめします。
セミセルフレジ『OWEN(オーエン)』は新紙幣対応済み
新紙幣への対応は、単なる技術的な問題ではなく、医療機関の運営全体に関わる重要な課題です。この機会に、より効率的で安全な会計システムの導入を検討するのも良いでしょう。
2,500件以上の医療機関様をサポートしてきた三栄シスポでは、新紙幣に対応したセミセルフレジ『OWEN(オーエン)』を提供しています。
新紙幣が発行された直後の2024年7月5日には、実際に新紙幣を使った現金決済の様子をYouTubeにて公開しました。
営業担当・加藤が『OWEN』の新紙幣対応にお答えします
ここからは、『OWEN』の新紙幣対応に関して多くの方からいただいてきたご質問に、営業担当の加藤がお答えします。
早急に会計を自動化したい方、新紙幣への対応も含め、スタッフさんの業務負担を減らしたい方はぜひ参考にしてみてください。
新紙幣発行に関して『OWEN』ではどんな対応をしていますか?
まず『OWEN』は、新札に対応した新機種を2023年11月にリリースしています。
(参考:プレスリリース「2024年7月の新札(新紙幣)発行に先駆け、2023年11月1日より新札に対応した新機種をリリース〜既存機種に対するアップデートの案内も順次スタート〜」)
そのため、新しいお客様には新機種のご案内をしてきました。
さらに、すでに『OWEN』の既存機種をお使いの医療機関様にも、同時期からアップデートのご案内も進めてきました。ただし、対応のご相談を多数いただいているため、納期までのお時間は随時ご相談させてください。
すでに『OWEN』を使っている場合、アップデートのために医療機関側がすべき対応は?
既存の機種を導入済の医療機関様に関しては、バージョンアップ作業の申し込みをしていただく必要があります。お電話やメール等でぜひ担当者までご連絡ください。
バージョンアップには、メーカーと『OWEN』の営業担当者が訪問し、おおよそ1時間ほどいただいています。その後、新紙幣が正確に読み込まれるかのテストを実施するため、先生や受付のスタッフさんにご協力いただく必要もございます。
そのためお昼休みや締め作業の後など、患者様への影響が出にくいタイミングに実行できるよう、スケジュールのご相談をいたします。
新紙幣が使える『OWEN』では、旧紙幣も並行して使えますか?
もちろんです。これまでの紙幣と新紙幣、どちらも使用可能です。
手動で対応すると、新紙幣と旧紙幣が入り混じって会計ミスに繋がる場合もありますが、セミセルフレジ『OWEN』ならすばやく正確に会計ができます。
まとめ
最新の技術を活用した自動精算機(セルフレジ)や自動釣銭機(セミセルフレジ)の導入は、新紙幣対応だけでなく、長期的なクリニック運営の効率化にもつながります。患者様の利便性向上やスタッフの負担軽減など、多くのメリットが期待できます。
新紙幣発行を、医療機関の会計システム全体を見直す良い機会ととらえ、より良い医療サービスの提供を検討してみてはいかがでしょうか。
適切な準備と対応をすれば、新紙幣発行後も安心して診療に専念できるでしょう。