医療機関のキャッシュレス決済導入ガイド。導入のメリットや選定時の注意ポイントを徹底解説

経済産業省の発表によると、2023年のキャッシュレス決済比率は39.3%にまで上昇し、決済総額は過去最高の126.7兆円を突破しました。コロナ禍をきっかけに加速した「現金を触らない決済」の流れは、今や私たちの生活に深く根付いていると言えます。
そして医療機関や動物病院でも、キャッシュレス決済対応を望む声が高まっています。しかし「何から始めれば良いのか」「どんな準備が必要なのか」といった不安の声が多く寄せられているのも事実。
本記事では、医療機関や動物病院がキャッシュレス決済を導入する際のメリット・デメリットから、具体的な導入のポイント、さらには実際の医療現場での活用事例までを解説します。
キャッシュレス決済を検討中の医療機関、動物病院の方はぜひご覧ください。
※参考:経済産業省「2023年のキャッシュレス決済比率を算出しました」
キャッシュレス決済導入のメリット

まずは、クリニックなどの医療機関がキャッシュレス決済を導入するメリットを確認します。
ここでは患者様、もしくは動物病院における飼い主様側と、医療機関・動物病院のスタッフさん側に分けてご紹介します。
患者様・飼い主様側のメリット
現金持参の手間削減
まず患者様や飼い主様にとって、現金持参の手間がなくなるというメリットがあります。
財布の中身を気にせず通院できるため、特に高額な治療や緊急の診察時に安心です。
眼科や産婦人科では特に、追加の検査や緊急の処置が必要になるケースも多く、会計時に患者様が近所の金融機関にお金をおろして現金を用意することもあります。
そのため「現金を用意していただく手間が申し訳ない」と、キャッシュレス決済に踏み切るクリニック様も多いです。
実際に、現金持参の手間をなくすためにキャッシュレス決済を導入したクリニックからも、ポジティブな声をいただいています。
- 年齢を問わず多くの患者様がキャッシュレス決済を利用している
- 思い切って導入を決断して良かった
- 自費診療でまとまったお金を支払う患者様に、近くの銀行で現金をおろしていただく事態もなくなった
参考:セミセルフレジOWEN(オーエン) 導入事例
「『患者様が現金を用意する手間をなくすために』OWENでキャッシュレス決済を実現」
「キャッシュレス決済が可能になり、自費診療で高額の支払いが発生しても『現金を用意していただく必要がなくなった』」
会計時の待ち時間短縮
キャッシュレス決済を導入することで、現金の受け渡しや、おつりの準備・確認といった時間を省くことができ、会計をよりスムーズに済ませることができます。
特に混雑時間帯では、待合室の混雑緩和も期待できるでしょう。
感染症対策
キャッシュレス決済を導入し、現金の受け渡しによる接触機会を減らすことで、感染症対策としても有効です。コロナ禍以降、医療機関という特性上、より重要視される要素となっています。
医療機関・動物病院側のメリット
現金管理の手間や違算金のリスク削減・残業時間の低減
現金を扱う機会が減ることで、金額の確認ミスや違算金のリスクが大幅に軽減されます。特に新人スタッフの場合、会計時の緊張や精神的負担が大きいため、キャッシュレス決済の導入は働きやすい環境づくりにも貢献します。
違算金が生まれなくなれば、「売り上げデータと現金の金額が合わない」原因を何度もチェックする時間もありません。つまり、残業時間の削減も期待できるでしょう。
つり銭準備の負担軽減
日々のつり銭の準備や補充、金種の管理といった煩雑な業務から解放されます。特に金融機関の休みを挟んだあとの月曜日や連休明けは、その手間を大きく削減できます。
売上金の自動集計による業務効率化、残業時間の低減
売り上げデータが自動で記録・集計されるため、締め作業の時間を大幅に削減できます。
さらに違算金もないため、受付や会計が全て終わり次第すぐに退勤できる環境が実現できる可能性も。
患者様の利便性向上による満足度アップ
「支払い方法が選べる」という利便性の向上は、医療機関の評価アップに直結します。特に若い世代や、高額診療が必要な患者様からの信頼度向上につながり、選ばれる医療機関となるための重要な要素となっています。
2025年2月1日~2月28日まで、ORCAMOキャッシュレスとセミセルフレジOWENのお得なキャンペーンを実施中です!この機会をぜひご活用ください。

キャッシュレス決済導入の課題

キャッシュレス決済には、導入の障壁や懸念点、導入後に新たに対応すべきこともいくつかあります。ここでは4つほど紹介しますので、以下の内容を参考にしながら導入前の確認や検討を慎重に実施しましょう。
導入時の懸念事項
導入時には決済端末の費用、初期費用に加え、電源工事やネット環境の整備が必要になる場合があります。
しかし、これらの費用は将来的な業務効率化への投資とも捉えられます。特に人件費や現金管理にかかる時間を考えると、長期的にはコストメリットが期待できる要素とも言えるでしょう。
またキャッシュレス決済を多数ご案内してきたシスポの営業者に話を伺うと、そもそも「キャッシュレス決済にはインターネット環境が必要」ということを知らない方も多いようです。
もしご存知なかった方は、自院のネット環境を確認したり、管理をお願いしている会社に連絡を入れて状況を共有したりして導入に備えることをおすすめします。
決済手数料率
キャッシュレス決済の決済手数料は、多くの施設様にとって導入の大きなハードルとなっています。ただし、保険診療の場合は患者様負担分(3割)にのみ手数料がかかることを知っておくと、心理的なハードルは下がるはずです。
実際に導入したクリニック様の中には「決済の手数料率よりも、キャッシュレス決済を導入した利便性が向上したというメリットの方が上回っている」といった反応を示す方もいらっしゃいます。
ただし手数料率は決済会社によって異なり、経営と切り離せないのも事実。手数料率を冷静に比較しながら、サポート体制なども含めて総合的に判断しましょう。
参考:セミセルフレジOWEN(オーエン) 導入事例「キャッシュレス決済が可能になり、自費診療で高額の支払いが発生しても『現金を用意していただく必要がなくなった』」
機器の操作習熟
新しいシステムの導入には必ず学習期間が必要です。
特に複数のスタッフが交代で対応する医療機関では、統一された操作方法の習得が欠かせません。
キャッシュレス決済を導入する際は、事前研修の実施や操作に長けたスタッフをリーダーに設定するなど、体制を整えることをおすすめします。
通信トラブル時の対応
インターネットを介した決済には、通信障害のリスクが付きものです。どんなサービスでも「100%トラブルが起きない」ことはありません。
そのため事前に対応マニュアルを整備するなど、有事の際の対応を決めておきましょう。流れを決めておくことで、大きな混乱を防ぐことができます。
また、信頼できる決済会社を選ぶことで充実したサポートを受けられるようになります。トラブル発生時の対応力も、決済会社選定の重要なポイントとなるでしょう。
キャッシュレス決済導入のポイント

メリットとデメリットを確認したところで、ここからはキャッシュレス決済を導入する際の注意点などを見ていきましょう。
決済会社などを検討する前に、慎重に見るべき部分や確認すべきところがありますので、スムーズな導入のためにぜひご覧ください。
導入する決済方法の検討(クレジットカード・電子マネー・QRコード決済)
キャッシュレス決済を進める際、まずはクリニックで受け入れる決済方法を検討します。
一般的なクレジットカードに加え、電子マネーやQRコード決済など、複数の手段に対応することで患者様の利便性は高まります。ただし、決済ブランドごとに手数料率や入金サイクルなどが異なる可能性もあるため、経営面での影響も考慮しましょう。
特に、地域性や患者様の年齢層によって利用頻度の高い決済手段は異なるため、事前のリサーチをしておくと安心です。キャッシュレス決済を導入している近隣の医療機関に話を聞くと、参考となる具体的な情報が得られるはずです。
※「QRコード」は(株)デンソーウェーブの登録商標です
決済会社の比較・選定(決済端末との連携・手数料率)
想定する決済方法が固まったら、決済会社の選定に移ります。その際、近隣の医療機関の導入実績や、メインバンクが提供するサービスも選択肢となるでしょう。
選定の際に欠かせないのは、キャッシュレス決済の手数料率はもちろん、決済会社が提供する決済端末と、既存の医療系システム(レセコンや自動精算機・自動釣銭機)との連携可否の確認です。
医療系システムとの連携可否については、レセコンなどの各会社に導入予定の決済会社・端末を共有することで確認がとれるはずです。
各決済手段の手数料率は、必ずしも低いものが最適とは限りません。サポート体制やシステムの使いやすさなども含めた、総合的な判断が必要です。また、月間の取引量によって手数料率が変動する場合もあるため、その確認に加え、想定される利用頻度も考慮に入れましょう。
なお、決済会社への申し込み後は、審査に1カ月半〜2カ月ほどかかると言われています。開業などで運用を開始したい時期が明確に決まっている場合は、開始時期から逆算して3〜4カ月ほど前に申し込みをしておくと良いでしょう。
サポート体制の確認
キャッシュレス決済の導入にあたり、運用面でのサポート体制は特に重要です。
自院がキャッシュレス決済を使用する時間帯はサポートの電話に対応してもらえるか、深刻なトラブルの場合は訪問対応が可能かなど、今後の具体的なサポート内容を確認しましょう。
そして、運用開始後に最も懸念されるのが通信環境のトラブル。復旧までの手順やサポート内容も事前に確認しておくと安心です。
入金サイクルの確認
決済額の入金サイクル(通常月1〜3回)や、手数料の支払いタイミングは、資金繰りに直接影響します。
また、振込手数料の負担を、医療機関側と決済会社側のどちらが担うのかも要確認点です。決済会社によって締日や支払日が決まっている場合も多いため、既存の経理フローとの整合性も検討しましょう。
クリニックの中には、月1回の入金に集約することで、振込手数料の削減を図るところもあります。
「OWEN」導入でキャッシュレス決済を実現した医師の声
最後に、キャッシュレス決済を実現した医師の声をご紹介します。
シスポが提供するセミセルフレジ(自動釣銭機)「OWEN(オーエン」を導入された施設様の多くは、近年、キャッシュレス決済も導入する傾向にあります。
以下に3つほど、「OWEN」とともにキャッシュレス決済を導入したクリニックのお声を一部抜粋して掲載しました。

患者様に「銀行でお金を下ろしてきます」と外出していただくことが度々あり、ご不便をおかけしている状況を何とかしたいと考えていました。キャッシュレス決済は今後ますます必要不可欠になっていくと確信しています。
南やのめ皮膚科クリニック 様(福島県福島市)
手数料という懸念点はあるにしても、患者様にとっては、現金を持ち合わせていない時でも支払いができる。その「利便性」の高さや、スタッフの負担が減ったことを考えると、やはりOWENを導入した意味は大きいです。
古江中野眼科 様(広島県広島市)

まとめ
ここまで、医療機関や動物病院におけるキャッシュレス決済のメリットや導入のポイントを確認しました。
今後も患者様・飼い主様の利便性向上や業務効率化の観点から、キャッシュレス決済の活用は今後さらに増えていくでしょう。
また、今後キャッシュレス決済を導入する際は、患者様・飼い主様への丁寧な説明が欠かせません。特に高齢の方々への配慮は重要です。
院内ポスターでの事前告知やスタッフによる丁寧な説明を組み合わせることで、スムーズな移行を心がけましょう。
シスポが提供するセミセルフレジ「OWEN(オーエン)」では、2,500件以上の医療機関様への導入実績をもとに、「OWEN」の導入と合わせたキャッシュレス決済の導入・運用を手厚くサポートし、ご提供しています。
貴院でのキャッシュレス決済導入をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
2025年2月1日~2月28日まで、ORCAMOキャッシュレスとセミセルフレジOWENのお得なキャンペーンを実施中です!この機会をぜひご活用ください。
